応募者の方へ
[企業の知財戦略について]
企業は、研究設備であれ人件費であれ、多くの費用を投じて研究開発を行い、その成果を使って営業利益を上げますが、投資された資金を回収するとともに営業利益を確実に得るためには、研究開発成果がなんらかの形で保護される、すなわち、開発した企業は実施できるが、他社は開発企業から実施許諾を受けない限り、原則として実施することができないという状況が必要となります。でなければ、膨大な研究費を投じて研究開発を行う意義がなくなり、技術の進歩は止まってしまいます。
そこで生まれたのが特許制度であり、「特許制度は、天才の火に利益という油を注いだ」(The patent system added the fuel of interest to the fire of genius)という元大統領リンカーンの言葉が米国旧特許庁の玄関脇の大理石に刻まれていることは有名な話です。 |
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[発明の保護と利用の調和]
この特許制度を使って、企業は、自社の研究開発成果を出願し、特許権という独占排他権を獲得することによって将来の営業利益と投資の回収を担保するわけですが、その一方で、技術の進歩はめざましく、いくら研究開発によって多大な投資が必要だったとはいえ、何十年も経てば陳腐化してしまうことも事実であり、そのような技術を開発企業に独占させることは、国家経済あるいは公益的見地から考えれば望ましいものではありません。
したがって、法は、出願の日から20年をもって特許権を終了させており、かかる規定により発明の保護と利用との調和が図られています。
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[特許事務所について]
企業秘密ともいえる研究開発成果を担保するための重大な業務を誰がやってもよいということになりますと、社会が混乱を来してしまうでしょう。そのため、国が一定の資格を設け、その資格者でなければ特許出願等の業務を扱ってはならないとしたのであり、その資格が弁理士、その弁理士が中心となって弁理士業務を行う組織が特許事務所です。
このため、特許事務所には、法律と技術の双方を理解できるスタッフが必要ですし、海外出願の関係上、語学力も必要となります。また、企業秘密を扱うため、弁理士や特許事務所の所員には、弁理士法により厳しい守秘義務が課せられており(弁理士法第30条、第77条)、それゆえ、スタッフには誠実な勤務姿勢が必要となります。
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[特許事務所の役割・意義・使命]
特許権を獲得しあるいはその権利を維持していくという重大な知財戦略をクライアントから任されている以上、その責務を全うできるだけの日々の努力は欠かせませんが、特許庁の審査を通過して無事権利化できたときや、競合他社からの異議を退けることができたとき、それまでの努力や厳しさは、企業の知財戦略にわずかなりとも貢献できたんだという喜びと充実感に変わるでしょう。もちろん、クライアントからの提案内容自体が優れたものであったのだという謙虚な気持ちは忘れてはなりません。
出願当初の提案内容を発明として的確に把握し、クライアントの事業展開や実施可能性あるいは競合他社の動向などにも配慮しながら、権利書となるべき特許明細書を作成し適切な中間対応を行うことは、弁理士業務として当然ですが、それに加えて、クライアントの利益につながる助言や提案をどれだけ事務所側から行うことができるかどうかで、事務所の「質」の高さが決まってくると考えています。
クライアントからの優れた提案を権利として成立させることは、特許事務所として当然の責務とはいえ、出願時の明細書内容、中間対応、事務処理等が適切でなければ、権利として成立させ、ひいてはクライアントの信頼に応えることは出来ません。
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[弊所の業務スタンス]
クライアントである企業に喜んで頂き、クライアントの知財戦略を微力ながら担えるだけの質の高い仕事をする。そして、職種は違えども、スタッフ全員が一丸となって心からそのように感じながら仕事をしていくことができる。厳しいながらも、わきあいあいと楽しく仕事ができる。それが弊所の目指しているところです。
弁理士であれ、特許技術者であれ、特許事務であれ、そのような職種を越え、スタッフ全員がクライアントの信頼に応えることができるように、それぞれの職務を遂行して頂ける方のご応募をお待ちしております。
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 特許証
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FAQ(よくある質問) Q.特許事務の経験がないのですが、そんな私でもできるでしょうか。
A.特許事務の経験がないことだけをもって、特許事務がつとまらないことなどありえません。誰でも最初は初心者です。
経験ゼロからの人をご指導し、実際にお育てしております。全く問題ありません。
ただ、指導に対してそれを理解し、実践できるだけの適性や学力あるいは誠実さが必要であることは言うまでもありません。
Q.明細書を書くことは難しいのでしょうか。経験がないので全くわかりません。
A. 難しいかどうかはともかく、とても楽しくやりがいのある仕事です。
自分が作成しているものは、例外を除き、世間一般にはいまだ公表されていないのですから。
「クライアント以外、誰も知らない。そういうことを今、自分は手がけているんだ。」
そう考えれば、これほど楽しくやりがいのある仕事はないと思います。
ただ、それは、ある意味、マラソン選手が「走るのはとても楽しい」と言っているのと同じようなものかもしれません。
「楽しくてやり甲斐がある」と感じるには、相応の適性、素養、基礎学力に加えて、日々の努力が必要だと思います。
Q.実務指導をして頂けるのであれば、自分のスキルアップになるので是非採用してもらいたいのですが・・・。
A. 実務指導は、ご本人のスキルアップのために行っているのではありません。
依頼された案件を誠実な姿勢で適切かつ正確に遂行できるだけの実務能力を身につけて頂くために行っているものです。
スタッフの誰か一人でも誠実さに欠ける職務を行えば、他のスタッフ、ひいては事務所全体の信用がなくなります。
あくまでクライアントの立場に立った実務指導であることをご認識ください。
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