実績〜登録率(成功率)〜
企業等のクライアントから依頼された案件をどの程度、権利に結びつけることができたかどうか、すなわち成功率ともいえる登録率は、特許事務所あるいは弁理士を評価する上でひとつの目安になり得るものと弊所では考えており、下記に述べました約80%の成功率は、平均的な登録率(特許庁発表の出願人別請求率・登録率によれば、出願人にもよりますが、登録率の平均は概ね50%程度であると判断できます)を大きく上回り、登録率上位の企業と比較しましても遜色ないものと自負しております。
その一方、権利取得できるかどうかは、クライアントの技術力が大きく関与していることはいうまでもなく、その意味でも、特許登録率は、特許事務所あるいは弁理士を評価する目安にすぎません。
詳しくは、後述の私見をご覧下さい。
(1)弊所の特許登録率
(2)特許庁発表の特許登録率
(3)特許の登録率に関する私見
(1)弊所の特許登録率
特許登録率を算定する際、期間や出願人が不明瞭に限定されたり、意匠、商標等と混同されたりしますと、第三者に思わぬ誤解を与える懸念があり、特許事務所あるいは弁理士を実質的に評価する指標に値しないものになってしまいます。また、拒絶査定が確定するまえに出願を取り下げたり放棄したりしますと、その目的とは関係なく、結果として拒絶査定は限りなく0に近くなって特許登録率は高くなり、やはり、特許事務所や弁理士を実質的に評価する指標にはなり得ません。
対象件数が極端に少ない場合にも現実的でない数字になってしまい、同じような事態が懸念されます。
そこで、客観的評価に耐えうるように算定条件を明瞭にした上、弊所の特許登録率を算出してみましたので、ご高覧頂ければ幸いです。算出式の以下の通りであり、現行の特許庁が採用している算出式と同じです。
登録率=特許査定件数/(特許査定件数+拒絶査定件数+取下げ・放棄件数)
A.算出条件
・算出の対象事件; 国内特許出願
・算出の対象期間; 平成5年6月1日〜平成16年10月31日
(平成16年10月31日時点における事務所創立以来の累計値)
なお、審査請求期限が7年(*)であるのに対し、算出期間は10年程度となっております。
したがいまして、件数が自ずと限られております。
・審査請求期限(*)は、平成13年10月1日以降の特許出願については3年です。
B.算出結果
(a)全出願人
特許査定件数; 206
拒絶査定件数; 65
出願の取下げ・放棄; 0
特許登録率 ; 0.76(76%)
(b)年間出願件数が30件以上の出願人
特許査定件数; 196
拒絶査定件数; 45
出願の取下げ・放棄; 0
特許登録率 ; 0.81(81%)
C.補足事項
・特許査定は特許審決を含みます。拒絶査定は確定したものです。
・優先権主張に伴う先の出願は、「出願の取下げ」の数には含めておりません。
出願が取下げ擬制されるため、審査請求されることがないからです。
D.その他
特許庁発表の特許登録率を以下に引用いたしましたので、ご参照ください。
なお、過去において、(審査請求件数−拒絶査定数)/審査請求件数を登録率と呼んでいた頃もありました。
しかし、この方法では、審査請求時期と査定時期との間に時間差が生じますので、明瞭な算出方法ではありません。
特許庁もこの算出式は採用しておりません。
(2)特許庁発表の特許登録率
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(注) 特許出願数上位200社で、かつ、100件以上審査終了(特許査定又は拒絶査定)した会社を対象
(共同出願は筆頭者のみ集計)とし、特許登録率は以下の式で算出。
なお、件数についてはそれぞれ2002年及び2003年ごとに集計
特許登録率=登録件数※1/(登録件数※1+拒絶査定件数+取下・放棄件数※2)
※1 登録件数=特許査定件数+審判登録件数+前置登録件数
※2 拒絶理由通知の後に取下げまたは放棄した件数。
問い合わせ先:技術調査課
なお、上記2003年資料については、表示上の便宜のため、2002年統計を省略するとともに、除算表記を変更してあります。
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(3)特許の登録率に関する私見
特許登録率は、特許事務所あるいは弁理士を評価する上でひとつの目安になり得ると申しましたが、かかる特許登録率には、以下のようにさまざまな要因が関与しております。
したがいまして、登録率をもって特許事務所や弁理士を評価するには慎重な検討が必要です。
その反面、以下の内容を踏まえながらであれば、一つの目安にはなり得るのではないかと考える次第です。
(a)登録率が高くなる要因
@発明の進歩性が本来、高かった。
A知財戦略上の理由から審査請求を行う事件を適切に絞り込んだ。
B中間対応における出願人の補正指示が適切であった。
C弁理士が当初明細書に適切かつ十分な記載を行っていたため、補正要件が厳しくても十分対処できた。
D上記内容とも相まって弁理士が適切な中間対応を行った。
E知財戦略等の理由から、拒絶査定が確定する前に出願を取り下げた。
(b)登録率が高くならない要因
@出願件数が非常に多いため、高い登録率を確保することは本来的に困難である。
A実施可能性、費用対効果等の観点から選別された結果、権利化可能なものでもあえて権利化しなかった。
B発明の進歩性が本来、低かった。
但し、このような場合であれば、そもそも出願人が審査請求を行わないのが通例です。
反面、審査請求が不適切であれば、代理人の処理能力とは全く関係なく、当然ながら登録率は上がりません。
そしてその場合には、特許登録率と弁理士の業務処理能力との間に関連はなくなると考えます。
C弁理士が当初明細書に適切なつ十分な記載を行わなかったため、厳しい補正要件に対処できなかった。
D上記内容とも相まって適切な中間対応ができなかった。
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